生命倫理あるいは生命倫理学は、バイオエシックス(Bioethics)の訳語です。バイオエシックスのbioは「生命」を、ethicsは「倫理(学)」を意味します。生命倫理学は、1970年代にアメリカで確立された学問で、『生命倫理百科事典』によると、次のように定義されます。「ライフサイエンス(生命科学)と医療の道徳的諸側面の体系的研究であり、学際的環境においてさまざまな倫理学的方法論を用いるもの」。具体的な研究トピックとしては、臨床倫理や研究倫理におけるインフォームド・コンセントや個人情報保護の問題、iPS細胞やES細胞などを用いた再生医療や、脳科学研究の倫理的側面の研究などが挙げられます。
本プロジェクトでは、京都大学で生命倫理関連の研究を行っている研究者のネットワークを構築し、さまざまな研究教育活動を行う予定です。具体的には、臨床倫理や研究倫理の研究推進、学内での生命倫理教育体制の整備、国際ワークショップ・セミナーの開催、アウトリーチ活動などです。こうした活動を通じて、京都大学での生命倫理の研究教育活動が国際的にトップレベルのものとなることを目指します。
2024年2月19日と3月20日の二日間、2023年度臨床倫理学応用コースを開催いたしました。
オンラインと現地でのハイブリッドでの開催でしたが、多くの方にご参加いただきました。参加者および講師やスタッフの皆様、ありがとうございました。
佐藤恵子先生による実施報告文が、以下のページからご覧いただけます。
臨床倫理学応用コース実施報告2024
(2024.04.09)
終末期の過ごし方を考える小冊子である生き逝き手帖の第3.0版をここに公開いたします。
佐藤恵子先生による第3.0版策定の背景についても併せてご覧ください。
生き逝き手帖第3.0版策定の背景
(2024.03.20)
今年度は、2月19日(月)、3月20日 (水・祝)の二日間にわたって、臨床倫理学応用コースを開講いたします。
本コースは、医療現場、法律、哲学等、多岐の分野に渡る専門家からの講義・演習により、実際に臨床現場で起こる倫理的な問題について、臨床倫理に関する倫理的・法的な基礎知識を身に付けたうえで、実践的な対応策を立てることができるようになることを目標に実施される集中コースです。 臨床倫理コンサルテーションや意思決定支援をより深く学びたい方、講義および受講生同士の議論を通じて様々な視点や考え方を習得したい方のご参加をお待ちしています。
今年度は初日はオンラインのみ、二日目はハイブリッド形式での開催となります。また初日と二日目の間に講義をオンデマンドで見ていただくことを予定しています。
詳細・お申し込みについては以下のサイトをご参照ください。
(2023.12.22)
この度、厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン解説編」(平成30年3月)の英訳を作成しましたので、適宜ご利用ください。英語のみのものと、日英対訳のものがあります。なお、この翻訳は、公式のものではありませんので、その点にご留意ください。
また、本ガイドライン本文に関しましては、当ページの2019.10.05の投稿から英語のみのものと、日英対訳のものをご覧いただけます。
MHLW Process Guideline Commentary Trans Eng JpnMHLW Process Guideline Commentary English
(2023.10.27)
2023年8月8日と9月3日の二日間、2023年度臨床倫理学入門コースを開催いたしました。
本年度も昨年度と同様、ハイブリッドでの開催でしたが、多くの方にご参加いただきました。参加者および講師やスタッフの皆様、ありがとうございました。
佐藤恵子先生による実施報告文が、以下のページからご覧いただけます。
臨床倫理学入門コース実施報告230908
(2023.09.22)
以前のお知らせにもありました通り、今年度は、8月8日(火)、9月3日(日)の二日間にわたって、臨床倫理学入門コースを開講いたします。
本コースは、実際に臨床現場で起こる倫理的な問題について、臨床倫理に関する倫理的・法的な基礎知識を身につけたうえで、実践的な対応策を立てることができるようになることを目標に実施されるコースです。 日々の臨床で、倫理的な問題に遭遇している方、臨床倫理コンサルテーションや意思決定支援を基本から体系的に学びたい方、受講生同志の議論を通じて様々な視点や考え方を習得したい方、臨床現場の問題や解決方法について策を研究したい方など、多数のご参加をお待ちしています。
今年度は初日はオンラインのみ、二日目はハイブリッド形式での開催となります。また初日と二日目の間に講義をオンデマンドで見ていただくことを予定しています。
詳細・お申込みに関しましては、以下のHPにアクセスをお願いします(お申し込みの締め切りは6月25日(日)です。ご留意ください)。
(2023.05.26)
本プロジェクトメンバーの田中美穂先生が、ランセット誌が有する、「死の価値」について検討する委員会による報告の概要を作成いたしましたので、こちらで紹介します。
ランセット誌「死の価値」に関する委員会報告の概要 (田中美穂)
報告書の原文は以下URLより取得できますので、適宜ご参照ください。
Report of the Lancet Commission on the Value of Death: bringing death back into life
(2023.04.26)
佐藤恵子先生の「人生を穏やかに過ごすために必要なこと――一緒に、生きる機軸をたてようじゃありませんか!」の資料を最新のものに更新しました。
ぜひ御覧ください。
(2023.04.26)
今年度は、8月8日(火)、9月3日(日)の二日間にわたって、臨床倫理学入門コースを開講いたします。
本コースは、実際に臨床現場で起こる倫理的な問題について、臨床倫理に関する倫理的・法的な基礎知識を身につけたうえで、実践的な対応策を立てることができるようになることを目標に実施されるコースです。 日々の臨床で、倫理的な問題に遭遇している方、臨床倫理コンサルテーションや意思決定支援を基本から体系的に学びたい方、受講生同志の議論を通じて様々な視点や考え方を習得したい方、臨床現場の問題や解決方法について策を研究したい方など、多数のご参加をお待ちしています。
今年度は初日はオンラインのみ、二日目はハイブリッド形式での開催となります。また初日と二日目の間に講義をオンデマンドで見ていただくことを予定しています。
詳細・お申し込みについては詳細が決まり次第、お知らせします。
(2023.04.14)
3/13から3/18にかけて京都大学においてオランダの研究者と、二国間のシンポジウムおよびワークショップを開催しました。安楽死や緩和ケアを含めた、日蘭における高齢社会と終末期医療の倫理的・法的・社会的・歴史的側面について活発な意見交換が行われました。
本二国間セミナーは、以下の研究費によってサポートを受けました。記して謝意を表します。「日本とオランダにおける高齢社会と終末期医療に関する倫理的・法的・社会的・歴史的側面の国際比較」 (科研費課題番号(JPJSBP220214403)
(2023.03.22)
2022年8月19日と9月10日の二日間、2022年度臨床倫理学入門コースを開催いたしました。
本年度は新型コロナウィルス感染症の影響もありハイブリッドでの開催でしたが、多くの方にご参加いただきました。参加者および講師やスタッフの皆様、ありがとうございました。
佐藤恵子先生による実施報告文が、以下のページからご覧いただけます。
臨床倫理学入門コース実施報告0.3版220922
(2022.09.16)
6月19日(日)に京都大学にて行われた、アカデミックデイ2022に「人生を穏やかに過ごすために必要なこと――一緒に、生きる機軸をたてようじゃありませんか!」というテーマで出展し、ポスター発表を行いました。
会場で展示していたポスターおよび佐藤恵子先生による来てくださった方へのお礼を掲載しておきます。ぜひ御覧ください。
追記 以下の資料に関しましては最新のものが掲載されていますので(2023.04.26)、そちらをご覧ください。
(2022.06.24)
終末期の過ごし方を考える小冊子である生き逝き手帖の第2.4版をここに公開いたします。
佐藤恵子先生による第2.4版策定の背景についても併せてご覧ください。
生き逝き手帖第2.4版策定の背景
(2022.04.27)
2022年3月1日と3月21日の二日間、2021年度臨床倫理学応用コースを開催いたしました。
本年度は新型コロナウィルス感染症の影響もありオンラインでの開催でしたが、多くの方にご参加いただきました。参加者および講師やスタッフの皆様、ありがとうございました。
佐藤恵子先生による実施報告文が、以下のページからご覧いただけます。
臨床倫理学アドバンスドコース実施報告0.4版220330
臨床倫理学アドバンスドコース実施報告
(2022.03.30)
本プロジェクトのメンバー(田中美穂・児玉聡)が作成した、日医総研リサーチレポート「諸外国の安楽死に関する法制度・データの概況 Ver.1」が掲載されましたので、ここに公開いたします。
概要
諸外国の安楽死に関する法制度やデータの概況を、日医総研リサーチレポートにまとめました。近年、特に2000年代後半以降、欧州の一部の国、北米や大洋州の一部の国や地域等で、安楽死に関する法律が制定される事案が続いています。ただ、日本をはじめ、大半の国や地域では、いずれの形の安楽死も違法、または、違法となる可能性があるのが現状です。 容認している国や地域の中には、自国の住民だけでなく外国人に対する安楽死が可能なところもあります。例えばスイスでは、複数の団体が外国人にも安楽死(スイスの場合は医師による自殺幇助)を行なっており、日本人もしくは日本居住者が複数亡くなっています。ベルギーも自国の市民に対象者を限定していません。 本稿は、安楽死に対して反対・賛成のいずれの立場を取ることなく、客観的なデータや事実にのみ着目した資料集です。医師等による自殺幇助・死の介助のみを容認している国や地域、積極的安楽死のみを容認している国や地域、両方を容認している国や地域の三つのカテゴリーに分けて、1. 法律名、2. 法制化の経緯説明、3. 法律のポイント、4. 公的機関を中心とする公式報告書の公表データを整理した統計データ概観(死亡者数の年次推移、男女比、教育歴、疾患の内訳、終末期の懸念、いずれも公表している場合)、5. 行政資料のURL、を紹介しています。 レポート本体を読むには、以下にアクセスしてダウンロードしてください。
(2021.11.10)
2021年8月25日と9月4日の二日間、2021年度臨床倫理学入門コースを開催いたしました。
本年度は新型コロナウィルス感染症の影響もありオンラインでの開催でしたが、多くの方にご参加いただきました。参加者および講師やスタッフの皆様、ありがとうございました。
佐藤恵子先生による実施報告文が、以下のページからご覧いただけます。
2021年度臨床倫理学入門コース実施報告
(2021.09.08)
終末期の過ごし方を考える小冊子である生き逝き手帖の第2.3版をここに公開いたします。
佐藤恵子先生による第2.3版策定の背景についても併せてご覧ください。
生き逝き手帖第2.3版策定の背景
(2021.07.09)
We are pleased to announce the release of “Planning for living and a good and fulfilling life”, a booklet about how to spend the final days of life.
Click on the image above to download.
Please also read the background of the booklet by Dr. Keiko Sato.
the background of the booklet (eng)
(2021.07.09)
今年度は、8月28日(土)、9月4日(土)の二日間にわたって、臨床倫理学入門コースを開講いたします。
本コースは、実際に臨床現場で起こる倫理的な問題について、臨床倫理に関する倫理的・法的な基礎知識を身につけたうえで、実践的な対応策を立てることができるようになることを目標に実施されるコースです。 日々の臨床で、倫理的な問題に遭遇している方、臨床倫理コンサルテーションや意思決定支援を基本から体系的に学びたい方、受講生同志の議論を通じて様々な視点や考え方を習得したい方、臨床現場の問題や解決方法について策を研究したい方など、多数のご参加をお待ちしています。
今年度は時勢にかんがみてオンラインでの開催となりますが、ぜひご応募ください
詳細・お申し込みは以下のURLにアクセスをお願いします(締め切りは7月15日(木)です。ご留意ください)。
京都大学オープンアカデミー 臨床倫理学 入門コース 2021
(2021.05.25)
本センターに所属する児玉聡准教授のインタビュー記事が、K.U.RESEARCHにて公開されました。記事は下記リンクよりご覧いただけます。
社会に開かれた生命倫理学をめざして。越境する知が医療現場を、そして日本を変える日
(2021.04.14)
CAPEでは2020年10月21日に、Janet Delgado教授を招いてCOVID-19パンデミック下におけるモラル・ディストレスに関するレクチャーを開催しました。
zoomを用いて行われたレクチャーのリンクとパスワードを共有いたしますので、ご関心のある方は是非ご覧ください。※レクチャーは全編英語です。
The video recording of Professor Janet Delgado’s CAPE Lecture is available here.
(2020.10.28)
朝日新聞社の論座に、京都ALS患者「安楽死」事件に関する記事を寄稿しました(執筆者:児玉聡)。
記事へのリンク、および記事のサマリーを下記に掲載しております。
論座
8月21日 京都ALS患者「安楽死」事件 論点整理と日本にいま必要な議論
サマリー
2020年7月、京都市内のALS患者が、SNSで知り合った医師2人の手を借りて「安楽死」を遂げていたことが報道された。本件については新聞やテレビなどで大きな話題になったが、重要な論点は何だったのか。本稿では、メディアでの議論を振り返りながら、今回の事件を受けて今後どのような議論がなされるべきなのかについて考えてみたい。
(2020.08.21)
2018年に本プロジェクトで公開した、安楽死や治療中止等終末期医療に関するCAPE生命倫理レポートを最新の状況に合わせて更新しました。
本レポートは安楽死とは何かといった基本的な用語の説明や、関連する国内外の法制度を概観する内容となっております。今後は国内外の重要な関連ニュースなどについても解説することも考えています。
レポートは随時更新し、できるだけ最新のデータの提供に努めます。
医療従事者、政策立案者、国会議員、市民等さまざまな方々にご覧いただき、ご活用いただければと思います。
レポートは下記リンクから自由にダウンロードすることができます。
CAPE生命倫理レポート1:世界の安楽死・治療中止概観ver.2
(2020.07.29)
上記プロジェクトに関連する記事が神戸新聞に掲載されました。
詳細はこちらのページをご覧ください。
(2020.05.12)
CAPE特別プロジェクト:パンデミックに取り組む応用哲学・倫理学のページにて、佐藤恵子先生(京都大学大学院医学研究科)による新型コロナウィルスやその感染予防策をまとめた資料が公開されました。
詳細はこちらのページをご覧ください。
(2020.05.12)
韓国の「ホスピス・緩和医療および終末期患者の延命医療の決定に関する法律」が2018年12月11日に改正されたことに伴い、新たな訳文を下記ページにアップいたしました。
翻訳にあたっては、洪賢秀(東京大学医科学研究所)が訳出し、児玉聡(京都大学)と田中美穂(日本医師会総合政策研究機構)が協力を行いました。
(2020.04.17)
研究プロジェクト「東アジアにおける終末期医療の倫理的・法的問題に関する国際共同研究」(科学研究費助成事業・国際共同研究加速基金(B) 18KK0001)の成果発表の場として、Webページを作成いたしました。
ご関心のある方は下記リンクよりご参照ください。
東アジアにおける終末期医療の倫理的・法的問題に関する国際共同研究
(2020.04.17)
今年度は、3月30日(月)に臨床倫理学応用コースを開講いたします。本コースは、医療現場、法律、哲学等、多岐の分野に渡る専門家からの講義・演習により、実際に臨床現場で起こる倫理的な問題について、臨床倫理に関する倫理的・法的な基礎知識を身に付けたうえで、実践的な対応策を立てることができるようになることを目標に実施される集中コースです。臨床倫理コンサルテーションや意思決定支援をより深く学びたい方、講義および受講生同士の議論を通じて様々な視点や考え方を習得したい方のご参加をお待ちしています。
本コースでは、維持透析中で、終末期ではない患者さんが、透析中止を求めてきたときの対応を扱う予定です。
受講生は小グループに分かれて、講義の内容を踏まえたうえで、事例に対する対応を議論し、解決策を提示することが求められます。
詳細・お申し込みは以下のURLにアクセスをお願いします。
2019年度 臨床倫理学応用コース(京大オリジナル株式会社)
多くの皆さまのご応募をお待ちしております!
(2020.01.31)
日本透析医学会では、「透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言」作成のため、2020年1月20日から1月26日にかけてパブコメの募集が行われました。
そこで、「次世代の生命倫理学研究者・教育者育成を考える」研究会(通称:生命倫理勝手連)では児玉、田中、佐藤が意見をまとめて提出したので、参考までに全文を公開しておきます。
・全文へのリンク:透析医学会提言書へのコメント
・参考サイト:日本透析医学会「透析の開始と継続に関する意思決定プロセスについての提言(案)」 についてのパブリックコメント募集と公聴会のお知らせ
なお、パブコメの作成に関わったのは、以下のメンバーです。
児玉聡(京都大学大学院文学研究科)
田中美穂(慶応義塾大学SFC研究所)
佐藤恵子(京都大学医学部附属病院)
(2020.01.31)
今年度も、夏に行われた臨床倫理学入門コースに引き続いて、応用コースを実施いたします。 2020年3月30日(月)に行う予定です。時間は9時半から17時ごろまでを予定しております。 入門コースをすでに修了された方を主な参加者と想定して実施しますが、入門コースをまだ受講されていない方も歓迎いたします。 参加者の募集はまだ行っておりませんが、開始次第当ページでもお知らせいたします。 応用コースのプログラムについて、何かご希望やご質問があればいつでもお寄せください。 多くのみなさまのご参加をお待ちしております。
(2020.01.10)
この度、厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(平成30年3月)の英訳を作成しましたので、適宜ご利用ください。英語のみのものと、日英対訳のものがあります。なお、この翻訳は、公式のものではありませんので、その点にご留意ください。
MHLW Process Guideline Trans Eng Jpn
MHLW Process Guideline English
(2019.10.05)
9月15日(日)に京都大学にて行われた、アカデミックデイ2019に「これで安心? 細胞・情報を使う研究」というテーマで出展し、ポスター発表を行いました。
ご訪問いただいた方へのお礼の文章をアップいたします(執筆者:佐藤恵子)。
当日は多くの方に足を運んでいただき、ありがとうございました。
(2019.09.21)
2019年8月24日、25日の二日間にかけて、2019年度臨床倫理学入門コースを開催いたしました。
多くの方にご参加いただきありがとうございました。
佐藤恵子先生による実施報告文が、以下のページからご覧いただけます。
2019年度臨床倫理学入門コース実施報告
(2019.08.30)
今年度は、8月24日(土)、25日(日)の二日間にかけてに臨床倫理学入門コースを開講いたします。
本コースは、実際に臨床現場で起こる倫理的な問題について、臨床倫理に関する倫理的・法的な基礎知識を身につけたうえで、実践的な対応策を立てることができるようになることを目標に実施される2日間の集中コースです。
日々の臨床で、倫理的な問題に遭遇している方、臨床倫理コンサルテーションや意思決定支援を基本から体系的に学びたい方、背景の異なる人との対話講義および受講生同士の議論を通じて様々な視点や考え方を習得したい方、臨床現場の問題や解決方法について策を研究したい方など、多数のご参加をお待ちしています。
詳細・お申し込みは以下のURLにアクセスをお願いします。
臨床倫理学入門コース(京大オリジナル株式会社)
多くの皆さまのご応募をお待ちしております!
(2019.06.10)
Yahoo!ニュース(個人)に透析治療中止に関する記事を寄稿しました(執筆者:児玉聡)。
記事へのリンク、および記事のサマリーを下記に掲載しております。
Yahoo!ニュース(個人)
6月2日 患者の治療拒否が死を意味するとき:公立福生病院の事件と「ダックスのケース」
サマリー
公立福生病院の透析中止の事件に関して、日本透析医学会がステートメントを出した。問題となっていた44歳の末期腎不全の患者の透析治療中止に関して、患者の「意思が尊重されてよい事案」と判断したという内容だ。
(2019.06.07)
今年度も、臨床倫理学入門コースを実施いたします。
8月24日〜25日の二日間にかけて行う予定です。
参加者募集の開始は、6月初旬〜の予定です。
募集の詳細については、その際このページ上でアナウンスいたします。
多くのみなさまのご参加をお待ちしております。
(2019.04.05)
朝日新聞WEBRONZAに、人工透析治療中止に関する記事を寄稿しました(執筆者:田中美穂、児玉聡)。
記事へのリンク、および記事のサマリーを下記に掲載しております。
朝日新聞WEBRONZA(有料会員のみアクセス可能)
3月25日 透析中止を考える(上)現在の枠組みにおける検討
3月26日 透析中止を考える(下)現時点の枠組みを超えて
サマリー
公立福生病院(東京都福生市)で、腎臓病患者の女性の人工透析治療を中止し、その後女性が死亡していた事案が2019年3月7日付毎日新聞朝刊で報じられた。本事案で問題とされたのは主に次の二点である。
一つは、日本透析医学会が「治療見合わせ」を検討する状況として提案している、治療が困難な状況や全身状態が極めて悪い状態ではなかったにもかかわらず、治療中止の選択肢が提案され、その後、治療中止を選択した女性が死亡したという点である。
もう一点は、複数の報道によれば、女性が治療中止を選択した後、中止を撤回する趣旨の発言をしたとの証言があり、それにもかかわらず治療中止が行われた可能性がある、という点である。
本稿では、まず、これまでに報道された内容や透析治療の実態や学会提言等の事実関係を整理し、現時点での国・学会ガイドラインや裁判所の判決などに照らした場合に今回の事案のどこに問題があるのかについて考える。そのうえで、現時点での枠組みを超えて、日本において治療中止に関する法規制の在り方の何が問題なのか、どのような検討が必要かを諸外国の状況も踏まえて論じる。
(2019.03.27)
生き逝き手帖の第二版をここに公開いたします。佐藤恵子先生による第二版策定の背景についてはこちらをご覧ください。
↑の画像をクリックするとご覧いただけます。(2019.03.20)
2019年3月12日、第一回臨床倫理学応用コースを開催いたしました。
多くの方にご参加いただきありがとうございました。
佐藤恵子先生による実施報告文が、以下のページからご覧いただけます。
第一回臨床倫理学応用コース実施報告
(2019.03.12)
2016年1月に成立し、2019年1月に施行された台湾の患者自主権利法(原文では「病人自主權利法」)の全訳を作成しました。こちらからご覧ください。
(2019.02.13)
2018年5月、ナフィールド生命倫理評議会より「医療と研究における人工知能(AI)」(Artificial intelligence (AI) in healthcare and research)という報告書が刊行されました。その概要を作成いたしましたので、ここに公開いたします。
ナフィールドカウンシル「医療と健康における人口知能(AI)」概要(京都大学大学院文学研究科・研究員 大庭弘継)
なお、原文はこちらからご覧いただけます。
(2019.01.25)
今年度は、3月9日(土)に臨床倫理学応用コースを開講いたします。本コースは、医療現場、法律、哲学等、多岐の分野に渡る専門家からの講義・演習により、実際に臨床現場で起こる倫理的な問題について、臨床倫理に関する倫理的・法的な基礎知識を身に付けたうえで、実践的な対応策を立てることができるようになることを目標に実施される集中コースです。臨床倫理コンサルテーションや意思決定支援をより深く学びたい方、講義および受講生同士の議論を通じて様々な視点や考え方を習得したい方のご参加をお待ちしています。
詳細・お申し込みは以下のURLにアクセスをお願いします。
臨床倫理学応用コース(京大オリジナル株式会社)
多くの皆さまのご応募をお待ちしております!
(2019.01.11)
近年、国内における終末期医療に関する法整備の議論が進んでいないことを鑑み、議論の活性化を意図して、ここに「終末期医療における患者の意思尊重法試案」(ver.3)を公表いたします。
修正した試案のポイントは、主に次の三つです。
第一に、2018年3月に厚生労働省が「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」を改訂し、アドバンス・ケア・プランニングの考え方を盛り込んだことから、本法にもその内容を反映しました。具体的には、将来、どのような医療・ケアを受けたいか、あるいは、受けたくないかといった意向を患者が一人で考え決めるというのではなく、患者が望めば患者の家族、そして、医療従事者・介護従事者等と話し合って共有し、できるだけ書面等に残すということを重視しました。
第二に、Q&Aにおいて、なぜ終末期医療に関する法律が必要なのかを加筆しました。確かに、厚労省のプロセスガイドラインが策定されて以降、終末期の患者の医療を中止した医師が罪に問われ刑事罰が確定した人はいません。ただ、法的な根拠は不明なままで、医療現場には不安視する声があることもまた事実です。ですので、患者の意思を尊重することを原則として、医療機関の医療従事者が患者に十分に情報提供し、医療従事者・患者・家族等が十分に話し合って、医療に関する方針を決めることが保障される必要があると考えます。
第三に、Q&Aにおいて、昨今動きのあった韓国や台湾の終末期関連法の内容を反映しました。自分の代わりに医療・ケアの方針を決めてもらう家族とは誰か、具体的に紹介しました。
そのほか、患者の意向を書面にしたり医療方針を決定したりする際には、他者からの脅迫や強制のみならず、社会・経済的事情も排するという点や、医療従事者や医療機関の責務として患者の最善の利益を考慮することや院内ガイダンスの作成・適切な緩和ケアの提供などを加筆いたしました。
まだ未完成なところも多く、拙いものですが、引き続き議論を通してよりよい試案にできればと考えております。ぜひご意見を頂戴できれば幸いです。
CAPE生命倫理プロジェクト
田中美穂 (日医総研主任研究員)
児玉聡 (京都大学文学研究科)
佐藤恵子 (京都大学医学部付属病院)
(2018.12.7)
各メディアでも報道された通り、2018年11月に香港で第2回ゲノム編集国際サミットが開催され、ヒト生殖系列細胞(human germline cells)にゲノム編集を行うことの是非について議論がなされました。その結果、11月29日に国際サミット声明が公表されましたので、以下にその全訳を掲載いたします。
第2回ヒトゲノム編集国際サミット開催委員会による声明(日本語訳)
(2018.12.06; 2019.03.07更新)
今年度は、臨床倫理学入門コースに引き続いて、応用コースを実施いたします。
2019年3月9日(土)に行う予定です。
多くのみなさまのご参加をお待ちしております。
(2018.11.21)
文部科学省及び厚生労働省では、生殖補助医療に用いられなくなったヒト受精胚を用いた「将来の生殖補助医療に資する可能性がある生殖補助医療研究」を行うにあたり、当該研究に携わる者が遵守すべき事項を定める「指針」の策定に向けて両省合同による審議会で検討を行い、「ヒト受精胚に遺伝情報改変技術等を用いる研究に関する倫理指針」制定案をとりまとめ、それにについて、2018年10月17日から11月15日にかけてパブコメの募集が行われました。
そこで、「次世代の生命倫理学研究者・教育者育成を考える」研究会(通称:生命倫理勝手連)では、鈴木、佐藤、児玉が意見をまとめて提出したので、参考までに全文を公開しておきます。
・全文へのリンク:「ヒト受精胚に遺伝情報改変技術等を用いる研究に関する倫理指針」に対する意見
・参考サイト:「ヒト受精胚に遺伝情報改変技術等を用いる研究に関する倫理指針」案に関するパブリック・コメント(意見公募手続)の実施について
なお、パブコメの作成に関わったのは、以下のメンバーです。
鈴木美香(京都大学iPS細胞研究所)
佐藤恵子(京都大学医学部附属病院)
児玉聡(京都大学大学院文学研究科)
(2018.11.21)
下記の科研費が採択されました(研究代表:児玉聡)。研究の成果は随時このサイトでも公表する予定です。
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
課題番号 18KK0001
「東アジアにおける終末期医療の倫理的・法的問題に関する国際共同研究」
事業期間平成30年度~平成35年度
本研究では、日本・韓国・台湾における共通の課題や優れた実践を明らかにし、これらをもとに望ましい死のありようを検討し、それを実現する体制の整備への道筋を示すことを目的とする。現在終末期医療に関連する法律整備が進んでいる韓国と台湾を日本の比較対象とし、法制度の比較研究や医療従事者へのインタビュー調査や施設視察等を実施することにより、終末期医療の方と倫理の問題や臨床現場での課題の解明を行う。特に注目するのは、緩和ケア、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)、倫理コンサルテーション、生命維持治療の中止、安楽死、死生観といった事柄である。日本・韓国・台湾の倫理学や法学、医療関係者による学際的なチームによる密接な共同研究を通じて、アジアにおける終末期医療の研究を牽引し、地域の歴史や文化に即した終末期医療の将来像をいち早く描き出すことにより、今後の医療体制の構築や医療政策に貢献する。
(2018.10.19)
環境省では、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」における「遺伝子組換え生物等」の整理及びカルタヘナ法の対象外とされた生物の取扱方針について、2018年9月20日から10月19日にかけてパブコメの募集が行われました。
そこで、「次世代の生命倫理学研究者・教育者育成を考える」研究会(通称:生命倫理勝手連)では、佐藤、鈴木が意見をまとめて提出したので、参考までに全文を公開しておきます。
・全文へのリンク:「ゲノム編集生物のカルタヘナ法上の整理・取扱方針」への意見
・参考サイト:「ゲノム編集技術の利用により得られた生物のカルタヘナ法上の整理及び取扱方針について(案)」に関する意見募集について
なお、パブコメの作成に関わったのは、以下のメンバーです。
佐藤恵子(京都大学医学部附属病院)
鈴木美香(京都大学iPS細胞研究所)
(2018.10.19)
9月22日(土)に京都大学にて行われた、アカデミックデイ2018に「『いのち、人体、細胞』をどうする?」というテーマで出展し、ポスター発表を行いました。
ご訪問いただいた方へのお礼の文章をアップいたします(執筆者:佐藤恵子)。当日は多くの方に足を運んでいただき、ありがとうございました。
(2018.10.10)
朝日新聞WEBRONZAに、こどもホスピスに関する記事を寄稿しました(執筆者:田中美穂、児玉聡、馬場恵)。
記事へのリンク、および記事のサマリーを下記に掲載しております。
朝日新聞WEBRONZA(有料会員のみアクセス可能)
10月9日 こどもホスピスを知ろう
サマリー
日本でも、こどもの緩和ケアが少しずつ広がっている。しかし、市民に十分に理解され提供体制が整えられているとは言えない。一方、世界的に見ても最高水準にある英国では、各地に緩和ケアを提供するこどもホスピスが作られ、こどもとその家族を中心に、こどもの緩和ケア専門チーム、病院の小児科医・専門医や看護師、地域のGP(家庭医)・小児科医や子ども専門の訪問看護師、こどもホスピス、地方自治体の社会福祉サービス、学校、慈善団体などが連携し、こどもとその家族を支援する体制が整えられている。本稿では、主にイングランドの制度や取り組みを概観し、日本が学べることは何かを考える。
(2018.10.10)
本センターの児玉聡准教授が代表を務め、2015~2017年度に実施したプロジェクト「領域横断型の生命倫理プラットフォームの形成に向けて」が無事に終了いたしましたので、ここに報告いたします。
なお、詳細につきましては下記リンクをご参照ください。
・「領域横断型の生命倫理プラットフォームの形成に向けて」
http://www.iias.or.jp/research/project/no1
(2018.09.27)
朝日新聞WEBRONZAに、脳死・臓器移植に関する記事を寄稿しました(執筆者:児玉聡・洪賢秀・田中美穂)。
記事へのリンク、および記事のサマリーを下記に掲載しております。
朝日新聞WEBRONZA(有料会員のみアクセス可能)
9月26日 韓国の脳死・臓器移植の現状と日本が学べること
サマリー
日本の臓器移植法は、昨年10月に施行から20年を迎え、臓器移植に関する多くの記事がメディアを賑わせた。なかでも大きな話題となったのは、脳死者からの臓器提供数が圧倒的に少ないことだった。一方、ほぼ同じ時期に法律ができた韓国では、この20年近くの間に順調に臓器提供数を増やしてきた。日本が学べることは何か。韓国の法整備を振り返りながら、考えてみた。
(2018.09.27)
SYNODOSに、米国のオピオイドの問題に関する記事を寄稿しました(執筆者:田中美穂・児玉聡)。
記事へのリンク、および記事のサマリーを下記に掲載しております。
SYNODOS 8月31日 米国のオピオイド禍と日本への教訓
サマリー
米国では、麻薬性鎮痛薬およびその関連鎮痛剤であるオピオイドの過剰摂取によって、年間6万4千人もの人々が命を落としている。
本記事ではこうした状況の原因、および米国政府の対応、そしてそこから学びとるべき日本への教訓を挙げている。
(2018.09.12)
朝日新聞WEBRONZAに、終末期医療に関する記事を寄稿しました(執筆者:田中美穂・児玉聡)。
記事へのリンク、および記事のサマリーを下記に掲載しております。
朝日新聞WEBRONZA(有料会員のみアクセス可能)
・7月27日 「韓国や台湾で進む終末期医療の法制化」
・7月28日 「終末期医療の法制化、日本はどうする?」
サマリー
すべての人にやがて訪れる人生の終末期。どのような医療を受けたいか、あるいは、受けたくないか、自分の考えを持つことの大切さが社会的にも認識され、その取り組みも進みつつある。だが、日本には、終末期医療において患者の自己決定や意思を尊重することを保証する法的枠組みが存在しない。患者の自己決定や意思を尊重するための法律が、欧米を中心に整備されているが、近年、アジア諸国の中にもそうした法律を制定する動きが出てきた。本稿では、韓国と台湾における終末期医療の法制化を中心に海外の動向を紹介する。
(2018.09.07)
厚生労働省では、2014年の「再生医療等の安全性の確保等に関する法律施行規則」の内容を臨床試験法にあわせて改訂する作業が行われ、「再生医療等の安全性確保に関する法律施行規則及び臨床研究の一部を改正す省令案(概要)」について、2018年7月26日から8月24日にかけてパブコメの募集が行われました。
そこで、「次世代の生命倫理学研究者・教育者育成を考える」研究会(通称:生命倫理勝手連)では、佐藤、鈴木、児玉が意見をまとめて提出したので、参考までに全文を公開しておきます。
・全文へのリンク:「再生医療等の安全性確保に関する法律施行規則及び臨床研究の一部を改正す省令 案(概要)への意見
・参考サイト:再生医療等の安全性確保に関する法律施行規則及び臨床研究法施行規則の一部を改正する省令案(概要)
なお、パブコメの作成に関わったのは、以下のメンバーです。
佐藤恵子(京都大学医学部附属病院)
鈴木美香(京都大学iPS細胞研究所)
児玉聡(京都大学大学院文学研究科、生命倫理勝手連代表)
(2018.08.29)
2018年8月2日から3日にかけて、第四回臨床倫理学入門コースを開催いたしました。
佐藤恵子先生による実施報告文が、以下のページからご覧いただけます。
第四回臨床倫理学入門コース実施報告
(2018.8.23)
英国ナフィールド生命倫理評議会(Nuffield Council on Bioethics)が2018年7月に公表したゲノム編集のヒト胚臨床利用に関する報告書の概要をまとめたものを公開いたします。
下のリンクからご覧いただけます。
英国ナフィールドカウンシル_ゲノム編集とヒトの生殖:社会的・倫理的諸問題_概要
(作成:三上航志・吉田隼大・児玉聡)
なお、原文は下記のURLから入手できます。
http://nuffieldbioethics.org/project/genome-editing-human-reproduction
(2018.8.9)
2018年7月3日にオレゴン健康科学大学医学部よりRobert C. Macauley准教授をお招きして、医学的無益性についてご講演をいただきました。
発表の際に用いられた資料および関連資料を公開してよいとの許可をいただきましたので、ここに公開いたします。ご関心のある方はぜひご覧ください。
資料は下記リンクより、自由にダウンロードいただけます。
Request for Non-Beneficial Treatments
The ethics of hastened death
(2018.07.11)
今年度は、8月2日(木)、3日(金)の二日間にわたって、臨床倫理学入門コースを開講いたします。本コースは、実際に臨床現場で起こる倫理的な問題について、臨床倫理に関する倫理的・法的な基礎知識を身に付けたうえで、実践的な対応策を立てることができるようになることを目標に実施される二日間の集中コースです。主な対象者としては、医療系・文系の大学生・大学院生及び、医療従事者やその他の社会人を想定しています。
詳細・お申し込みは以下のURLにアクセスをお願いします。
www.cape.bun.kyoto-u.ac.jp/education/primer_clinicalethics/
多くの皆さまのご応募をお待ちしております!
(2018.05.25)
これまで本プロジェクト等で行ってきた、安楽死や治療中止等終末期医療に関するさまざまな研究成果をCAPE生命倫理レポートとして公開します。
本レポートは安楽死とは何かといった基本的な用語の説明や、関連する国内外の法制度を概観する内容となっております。今後は国内外の重要な関連ニュースなどについても解説することも考えています。
レポートは随時更新し、できるだけ最新のデータの提供に努めます。
医療従事者、政策立案者、国会議員、市民等さまざまな皆様にご覧いただき、ご活用いただければと思います。
レポートは下記リンクから自由にダウンロードすることができます。
CAPE生命倫理レポート1:世界の安楽死・治療中止概観
CAPE生命倫理レポート2:台湾・韓国の法律
(2018.05.23)
CAPE生命倫理プロジェクト内でとくに終末期医療に関する取り組みをまとめたページを作成いたしました。
今後、終末期医療に関する情報はそちらの方にアップいたします。
当該のページには下記リンクからアクセスいただけます。
(2018.05.23)
今年度も、臨床倫理学入門コースを実施いたします。
8月2日〜3日の二日間にかけて行う予定です。
参加者募集の開始は、6月初旬〜の予定です。
募集の詳細については、その際このページ上でアナウンスいたします。
多くのみなさまのご参加をお待ちしております。
(2018.02.06)
2018年2月10日から11日にかけて国際高等研究所にて、「予防の倫理を考える――公衆衛生と警察行政の倫理」をテーマとして研究会を実施しました。
その概要をまとめた報告書を作成いたしましたので、ここに公開いたします。
コメントやご質問がありましたら、cape-bioethics[at]bun.kyoto-u.ac.jpにお願いいたします。
(2018年3月19日)
2017年10月22日から23日にかけて、国際高等研究所にてワークショップ「多様性と信頼」を実施いたしました。
当日のプログラムは下記の画像をクリックするとご覧いただけます。
(2018.03.19)
現在、厚生労働省では、2007年に策定された「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」(2015年に「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」に名称変更)の改訂の議論が行われており、2018年1月29日から2月9日にかけてパブコメの募集が行われました。そこで、「次世代の生命倫理学研究者・教育者育成を考える」研究会(通称:生命倫理勝手連)では、改訂案に関しての検討会やメールでのやりとりを通じてパブコメを作成し提出したので、参考までに全文を公開しておきます。
・全文へのリンク:「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」の改訂のポイントに関する意見
・参考サイト:厚生労働省「人生の最終段階における医療の普及・啓発の在り方に関する検討会」
なお、パブコメの作成に当たり、以下の方々にご意見を頂戴しました。
佐藤恵子(京都大学医学部附属病院)
服部高宏(京都大学大学院法学研究科)
田中美穂(日本医師会総合政策研究機構)
大庭弘継(京都大学大学院文学研究科)
宮地由佳(エディンバラ大学大学院宗教学部)
児玉聡(京都大学大学院文学研究科、生命倫理勝手連代表)
(2018.02.13)
CAPEの生命倫理プロジェクトの一環として作成した、書評『科学的助言―21世紀の科学技術と政策形成』(有本建男、佐藤靖、松尾敬子著、吉川弘之特別寄稿、東京大学出版会、2016年)が、『社会と倫理』第32号(南山大学社会倫理研究所)にて公開されました。評者は大庭弘継研究員(京都大学文学研究科)です。詳しくはこちらからご覧ください。
http://rci.nanzan-u.ac.jp/ISE/ja/publication/se32/32-12ohba.pdf
(2017.12.19)
9/30に開催されたアカデミックデイでのポスター出展が無事に終了いたしました。
多くの方にご来場いただき、ありがとうございました。
(アカデミックデイ全体についての主催者側からの報告は、こちらのHPを御覧ください。)
会場で展示していたポスターおよび佐藤恵子先生による解説・挨拶文を掲載しておきます。ぜひ御覧ください。
以下では佐藤恵子先生による解説・挨拶分を導入部だけ掲載しております。ご興味を持たれた方はぜひダウンロードして全文をご覧ください。
アカデミックデイ2017・勝手連ポスターへの訪問ありがとうございました
9月30日(土)の京大アカデミックデイ2017「研究者と立ち話」における私たちのポスター展示(「ゲノム編集で肉厚真鯛、食べる?」)では、多くの方々に足を止めていただき、ありがとうございました。
生命倫理勝手連は、生命倫理の課題について、どのような研究をどこまで実施してよいか、どの技術を何に応用してよいか、医療者や研究者はどうあるべきか、などを考えて提案する活動をしています。生命倫理の課題は、生命や生活に直結しており、研究の対象になったり、成果を利用したりする一般市民の意見を取り入れて反映させることは、研究の政策を考える上で必須です。しかし、とくに先端的な技術については、内容が難解ですので、まず内容をわかりやすく解説し、どこにどのような問題があり、どう考えたらよいかも示した上で、考えていただいて意見を聞かせていただく必要があり、これを実現するにはさまざまな工夫や問いかけるスキルが必要です。
勝手連では、ゲノム編集技術が社会でも関心を集めるようになった2015年頃から、遺伝子改変技術をどのように使用すべきかについて検討をはじめ、京都大学大学院農学研究科でゲノム編集技術を真鯛に適用して筋肉量を増やす研究をしている木下先生と意見交換をしてきました。安くておいしい真鯛を効率よく育成することができれば、消費者や生産者にとって大変オイシイ話であり、期待もふくらみますが、実際に口にするであろう市民の皆さんが、食品として受け入れるのか、食品としての魚の品種改良について懸念することや期待することは何かなどについて、なかなか直接、生の声を聴く機会がないことから、ポスター展示をして意見を聞いてみようということになりました。
アカデミックデイ2017ポスター
アカデミックデイ2017挨拶分
今後また似たような催しがある場合には情報を提供いたしますので、是非メーリングリストにご登録ください。
メーリングリストにはここからご参加いただけます。
2017年8月10日から11日にかけて、第三回臨床倫理学入門コースを開催いたしました。
佐藤恵子先生による実施報告文が、以下のページからご覧いただけます。
第三回臨床倫理学入門コース実施報告
(2017.08.22)
今年度は、8月10日(木)11日(金)の二日間にわたって、臨床倫理学入門コースを開講いたします。本コースは、実際に臨床現場で起こる倫理的な問題について、臨床倫理に関する倫理的・法的な基礎知識を身に付けたうえで、実践的な対応策を立てることができるようになることを目標に実施される二日間の集中コースです。主な対象者としては、医療系・文系の大学生・大学院生及び、医療従事者やその他の社会人を想定しています。
詳細・お申し込みは以下のURLにアクセスをお願いします。
www.cape.bun.kyoto-u.ac.jp/education/primer_clinicalethics/
多くの皆さまのご応募をお待ちしております!
(2017.06.01)
英国ナフィールド生命倫理評議会(Nuffield Council on Bioethics)が2016年9月に公表したゲノム編集の倫理的問題に関する報告書の概要をまとめたものを公開いたします。
下のリンクからご覧いただけます。
英国ナフィールドカウンシル_ゲノム編集の倫理的検討概要
(作成:田中創一朗・児玉聡)
なお、原文は下記のURLから入手できます。
http://nuffieldbioethics.org/project/genome-editing/ethical-review-published-september-2016
(2017.04.03)
今年度も、臨床倫理学入門コースを実施いたします。
8月10日〜11日の二日間にかけて行う予定です。
参加者募集の開始は、6月初旬〜の予定です。
募集の詳細については、その際このページ上でアナウンスいたします。
多くのみなさまのご参加をお待ちしております。
(2017.03.30)
2017年1月28日から29日にかけて、国際高等研究所にて研究会を実施いたしました。一日目は「医学研究費に関する諸問題」、二日目は「医療資源の配分の倫理」をテーマに据え、二日間で延べ28人の参加者が法的側面を含めた様々な論点を踏まえて議論を行いました。
文学研究科の児玉聡准教授が”Ethics in Life Sciences and Healthcare: Exploring Bioethics through Manga – Part 2″ を開講します。MOOCは、世界中の誰でも無償で受講できるオンライン講義です。ご関心があればぜひ受講していただければ幸いです。以下、詳しい説明が続きます。
「クローン人間をつくることは許されるか?」「永遠に生きられるのは望ましいことか?」
このような生命倫理に関する重要な問いが漫画を通じて提示され、5週間にわたり講義の中で探求していきます。第1弾講義の続編(後半)ですが、この講義から受講しても大丈夫です。
本講義は、2017年1月19日(木)から5週間配信します。講義は英語で行われます。ビデオ講義に加え、掲示板での議論などのインタラクティブな活動を通じて生命倫理に関わる5つのトピックを学ぶことができます。興味をお持ちの方は以下よりご登録ください。
Ethics in Life Sciences and Healthcare: Exploring Bioethics through Manga – Part 2
https://www.edx.org/course/ethics-life-sciences-healthcare-kyotoux-006-2x
多くの方々からの受講をお待ちしております。
ご質問点等がございましたら、以下の連絡先までお問合せください。
京都大学高等教育研究開発推進センター
MOOC制作プロジェクト KyotoUx
kyotoux@highedu.kyoto-u.ac.jp
チラシ:http://www.highedu.kyoto-u.ac.jp/mooc/pdf/kyoto-ux006.2x-web.pdf
Facebook:https://www.facebook.com/kyotoux/
(English Ver.)
Assoc. Prof. Satoshi Kodama at Kyoto University Graduate School of Letters is offering his MOOC, “Ethics in Life Sciences and Healthcare: Exploring Bioethics through Manga – Part 2.” MOOC stand for Massive Open Online Courses, which anybody in the world can enroll and take for free.
“Is it permissible to create human clones?” “Would you really want to live forever?”
Such controversial questions will be presented through stories in Manga and explored in the five-week course. This course is Part 2 of a two-part series, but you do not need to have completed Part 1.
This MOOC will start on January 19, 2017 (GMT) and run through 5 weeks. You can take this course for free with many other people from across the world. The course is offered in English. You will learn through video lectures and some interactive activities. Please register from the following site.
Ethics in Life Sciences and Healthcare: Exploring Bioethics through Manga – Part 2
https://www.edx.org/course/ethics-life-sciences-healthcare-kyotoux-006-2x
If you have any questions, please feel free to contact KyotoUx 006.2x team at kyotoux@highedu.kyoto-u.ac.jp
The flyer: http://www.highedu.kyoto-u.ac.jp/mooc/pdf/kyoto-ux006.2x-web.pdf
Facebook: https://www.facebook.com/kyotoux/
2016年12月4日、第28回生命倫理学会大会において、「ヒト胚のゲノム編集技術:臨床利用の是非」をタイトルにワークショップを行いました。センター員の児玉聡に加え京都大学iPS細胞研究所の鈴木美香先生にオーガナイザーを務めていただき、京都大学付属病院臨床研究総合センターの佐藤恵子先生、北海道大学安全衛生本部の石井哲也先生、そして当センター員の児玉聡がそれぞれ報告を行い、ゲノム編集技術の「ヒト胚への臨床使用」に焦点を絞って議論を行いました。
(2017.03.09)
2015年11月、ナフィールド生命倫理評議会より「科学・技術・医療についての公共と政治での議論における自然さという観念」(Ideas about naturalnessin public and political debates about science, technology and medicine: Analysis Paper)という報告書が刊行されました。その概要を作成いたしましたので、ここに公開いたします。
ナフィールドカウンシル『ナチュラルネス』概要(京都大学大学院文学研究科・研究員 大庭弘継)
なお、原文はこちらからご覧いただけます。
(2016年10月14日)
平成28年9月19日と20日に英国ブリストル大学で、「研究公正」と「高齢化社会における医療と倫理」に関するワークショップを開催いたしました。各国の法制度や文化的土壌に即した議論と国際的な文脈での問題の双方を討議し、京都大学から参加した研究者もプレゼンテーションを行いました。2日間で研究者、スタッフ、学生ほか関係者を合わせてのべ40名が参加し、活発な議論が行われました。
(2017.03.09)
2016年8月5日から6日にかけて、第二回臨床倫理学入門コースを開催いたしました。
佐藤恵子先生による実施報告文が、以下のページからご覧いただけます。
第二回臨床倫理学入門コース実施報告文
(2016.08.10)
『全ての世代のための生命倫理:医療、科学、技術に関する熟議と教育』(以下、本報告)は、米国の生命倫理問題の研究に関する大統領諮問委員会(以下、生命倫理諮問委員会)が、2016 年 5 月に刊行した報告書です。本報告において生命倫理諮問委員会は、すべての教育レベルにおける生命倫理、そして医療、科学と技術政策における複雑な意思決定を向上するために、民主的熟議と倫理教育を活用するよう 8 つの勧告を提言しています。内容は大きく二つで、生命倫理に関わるあらゆる意志決定において熟議を導入すること、あらゆる教育レベルで倫理教育を導入すること、を提言しています。以下の概要では、本報告の目次(2節)、8つの勧告(3節)、付録1熟議のステップ(4節)について訳出し紹介しています。なお、生命倫理諮問委員会の委員長であるエイミー・ガットマン(Amy Gutmann)は、民主主義論などで著名な政治学者であり、2004年から現在までペンシルベニア大学の学長も務めています。(2016.7.5)
下のリンクからご覧いただけます。
本報告書は、本年4月22日に国際高等研究所で行なわれた終末期医療の倫理に関するワークショップでの議論をまとめたものです。
ワークショップでは、とくに日本でも近年大きな問題となっている治療の差し控えや中止の是非、またそれを可能にする制度設計のあり方を論じるために、英国、韓国、台湾の研究者も交えて活発な議論が行なわれました。
本ワークショップで議論した主な論点は以下の四つです。
1. なぜ治療差し控えと中止に関して法制化が必要と考えられるようになったのか
2. 家族による承諾の法的あるいは現場の位置付けはどのようなものか
3. 終末期の定義はどのようになされるべきか
4. 治療の差し控えと中止を区別すべきか
詳しくは報告書本文をご覧ください。(2016年6月24日)
201604高等研・終末期医療セッション報告書
2016年4月22・23日、日本、イギリス、台湾、韓国から研究者をお招きし、国際高等研究所(木津川市)にてワークショップを開催しました。
22日は終末期医療をテーマに、23日は臨床倫理支援をテーマに、各国の状況の報告と、ディスカッションが行われました。
佐藤恵子先生による実施報告文を、以下のページに掲載しております。
終末期医療・臨床倫理支援国際ワークショップ実施報告(佐藤恵子)
ぜひご覧ください。
(2016.06.02)
今年度は、8月5日(金)6日(土)の二日間にわたって、臨床倫理学入門コースを開講いたします。本コースは、実際に臨床現場で起こる倫理的な問題について、臨床倫理に関する倫理的・法的な基礎知識を身に付けたうえで、実践的な対応策を立てることができるようになることを目標に実施される二日間の集中コースです。主な対象者としては、医療系・文系の大学生・大学院生及び、医療従事者やその他の社会人を想定しています。
詳細・お申し込みは以下のURLにアクセスをお願いします。
www.cape.bun.kyoto-u.ac.jp/education/primer_clinicalethics/
多くの皆さまのご応募をお待ちしております!
(2016.06.01)
本要約は、ジョージタウン大学が提供するMOOC「生命倫理学入門(Introduction to Bioethics)」における、同大学ケネディ倫理研究所ディレクター、マギー・リトル氏(Maggie Little)の講義を要約したものです。2014年に行われた同講義は、計6回にわたり生命倫理学が取り扱う幅広い領域を概説したものであり、具体的事例を用いて生命倫理学が直面する核心的問題を紹介しています。
米国における今日の生命倫理学の教育内容を知る上で有益であり、要約を公表いたします。
以下のリンクからご覧いただけます。
ジョージタウン生命倫理学入門MOOC
(要約者:京都大学大学院文学研究科・研究員 大庭弘継)
2015年11月23日に国際高等研究所にて、生命倫理教育にかんする国際ワークショップを実施しました。
その概要をまとめた報告書を作成いたしましたので、ここに公開いたします。
コメントやご質問がありましたら、cape-bioethics[at]bun.kyoto-u.ac.jpにお願いいたします。
生命倫理教育国際ワークショップ@IIAS
(2016年4月4日)
今年度も、臨床倫理学入門コースを実施いたします。
8月5日〜6日の二日間にかけて行う予定です。
参加者募集の開始は、6月初旬〜の予定です。
募集の詳細については、その際このページ上でアナウンスいたします。
多くのみなさまのご参加をお待ちしております。
(2016年4月1日)
本ペーパーの目的は、デュアルユースに関連する臨床的・倫理的・社会的・法的・政策的課題の概要を提示することです。詳しくは要約の全文をご覧ください。
生物学と生物医学におけるデュアルユース
(3月25日)
On November 22, 2015, a workshop on the ethics of genome editing was held at the International Institute for Advanced Studies in Kyoto. The scope of debates was not limited to applications of genome editing on humans, but also encompassed discussions of various ethical issues created by this technological feat, including the genetic modification of animals and plants. The following three questions were examined in detail, and views of participants about other concerns were collected as well.
Three Questions Examined at the Workshop:
(1) Is there a moral difference between only cutting DNA, and the cutting and insertion of DNA? In other words, are there fewer issues with cutting DNA alone through genome editing technologies relative to inserting genes after cutting?
(2) Is the position that “modification of human germline cells is impermissible, but the modification of somatic cells is allowable” morally defensible? If so, on what principle?
(3) Is the differential treatment of humans and non-human animals in the context of genetic modification defensible? In other words, is it possible to justify a position that “modification of human embryonic cells is impermissible, but the modification of somatic cells is allowable, and the modification of both embryonic and somatic cells is permissible in the case of non-human animals”?
The full report is available from here.
Report_International Workshop on the Ethics of Genome Editing
(2016.03.11)
2015年11月22日に国際高等研究所にて開催された本ワークショップでは、8月5日に開催した第1回のワークショップに引き続き、ゲノム編集の倫理に関して議論を行いました。その概要を報告書にまとめたものの、英訳版です(日本語版は、こちら)。
コメントやご質問がありましたら、cape-bioethics[at]bun.kyoto-u.ac.jpにお願いいたします。
以下からご入手いただけます。
Report_International Workshop on the Ethics of Genome Editing
(2016.03.11)
近年、国内における終末期医療に関する法整備の議論が進んでいないことを鑑み、議論の活性化を意図して、ここに「終末期医療における患者の意思尊重法試案」(ver.2.00)を公表いたします。これは、昨年11月に公表したver.1.00に対するコメントやご批判を受けて、いくつかの修正を施したものです。シンポジウムや研究会でご意見を下さった方々に厚く御礼申し上げます。
「終末期医療における患者の意思尊重法試案」(ver. 2.00)
主な修正点は、次の4点です。
①他国の法律等も参照し、医師の免責条項を明示的に規定しなくても他の条文で治療中止の要件を規定すれば合法的に治療中止ができると考え、医師の免責条項を削除した上で、患者の事前指示等に基づき医師は患者の生命維持治療を差し控え・中止できる、という点を冒頭の「第1条法律の目的」で規定しました。
②「第2条 法律の理念」において、すべての人が緩和ケアを受ける権利を有していることを明記しました。
③これまで日本の法律において規定されてこなかった臨床倫理委員会について、「第11条臨床倫理委員会」を新たに規定し、治療方針の決定に関する相談事例に対応できることなどを明記しました。
④具体的な規定に加え、規定の具体的な説明、規定が意図するところなどを明記した「Q&A」を作成いたしました。
まだ未完成なところも多く、拙いものですが、今後の議論を通してよりよい試案にできればと考えております。ぜひご意見を頂戴できれば幸いです。(2016年3月8日)
CAPE生命倫理プロジェクト
田中美穂 (日医総研主任研究員)
児玉聡 (京都大学文学研究科)
佐藤恵子 (京都大学医学部付属病院)
以前本HP上で公開した小冊子「幹細胞研究ってなんだ」の第二版を作成しましたので、ここに公開いたします。
下のリンクから入手いただけます。
幹細胞研究ってなんだ第2版160209
また、「幹細胞研究ってなんだ」の第二版の公開にあたって、佐藤恵子先生による挨拶文を掲載いたします。
下のリンクからご覧いただけます。
「幹細胞研究ってなんだ」の第二版を出しました
※この冊子を教材等として活用してくださったみなさまへのお願い
冊子を活用してくださりありがとうございます。
この冊子は、まだ生まれたてですので、改善の余地が多々あります。
また、研究は日進月歩しますので、内容の更新もしていく予定です。
そこで、教材として使ってみての感想やご意見、気がついた点などありましたら、
cape-bioethics[at]bun.kyoto-u.ac.jpまでお寄せいただけたら大変うれしく思います。
(2016年3月4日)
2月11日に東京大学医学部にて行われた生命・医療倫理研究会において、先日本ウェブサイト上で公表した「終末期医療における患者の意思尊重法試案」を発表し、ディスカッションを行いました。
従来の法案(いわゆる尊厳死法案)の問題点、今回の試案の特徴、立法化の是非、他国の動向などについて、児玉聡・田中美穂がそれぞれ報告を行い、弁護士で法学研究者でもある神谷竜光先生が法的視点からの報告を行ないました。
その後、多くの法律の専門家や医療従事者を含む40数名の参加者が小グループに分かれ、活発な議論を行いました。この議論を反映させた新しいバージョンの試案を、近く公表する予定です。(2016年2月12日)
先日の2016年1月8日に、韓国の臨時国会で「ホスピス・緩和医療の利用および終末期患者の延命医療の決定に関する法律案(代案)」が通りました。この法律は、「ホスピス・緩和医療と終末期患者の延命医療と延命医療中止等の決定およびその履行に必要な事項を規定することにより、患者の最善の利益を保障するとともに、自己決定を尊重することで人としての尊厳と価値を保護することを目的とする」ものです(第一章第一条)。
法案が成立するまでの経緯については翻訳の中に詳しく述べられている通りです。本法の公布は施行は本年1月〜2月初になる見込みで、施行は2018年秋頃となります(公布後 1 年 6 ヶ月が経過した日より施行)。なお、韓国では国会を通ったのちに文言の微調整が生じる場合があるため、法律番号が付与された後に、修正した翻訳を掲載する予定です。
(2016年6月23日追記)
修正した翻訳を改めて掲載いたします。以下のリンクよりご覧いただけます。
ホスピス・緩和医療および終末期患者の延命医療の決定に関する法律(翻訳)_20160615
仮訳・訳注:洪賢秀 (東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター公共政策研究分野特任助教)
Asian Bioethics Reviewに、SPIRITSのプロジェクト(「京都大学を拠点とする領域横断型の生命倫理の研究・教育体制の構築」プロジェクト)のメンバー4人(児玉聡、服部高宏、松村由美、佐藤恵子)によるケース・コメンタリーが掲載されました。
下記のリンクよりご覧いただけます。
Clinical Perspectives from Japan
Satoshi Kodama, Yumi Matsumura, Takahiro Hattori, Keiko Sato
2015年11月22日に国際高等研究所にて開催された本ワークショップでは、8月5日に開催した第1回のワークショップに引き続き、ゲノム編集の倫理に関して議論を行いました。その概要を報告書にまとめたものを公開いたします。コメントやご質問がありましたら、cape-bioethics[at]bun.kyoto-u.ac.jpにお願いいたします。(公開日2015年12月24日)
去る11月22日・23日に、国際高等研究所にて「領域横断型の生命倫理プラットフォームの構築」プロジェクトの第二回研究会を開催いたしました。
22日は「ゲノム編集の倫理」、23日は「生命倫理教育」というテーマで、オーストラリア、シンガポール等海外からの研究者を交えてディスカッションを行いました。
「ゲノム編集の倫理」セッションに関しては、議論の概要をまとめた報告書を公開いたしておりますので、是非そちらもご覧ください。
すでにメディアでも報道されている通り、米国で先日ゲノム編集国際サミットが開催され、ヒト生殖系列細胞(human germline cells)にゲノム編集を行うことの是非について議論がなされた。その結果、12月3日に国際サミット声明が公表された。以下はその全訳である。
ポイントは、(1)ヒト体細胞のゲノム編集については既存の規制枠組みを改善することで対応可能であるが、(2)ヒト生殖細胞については臨床応用(臨床研究や治療等)は時期尚早であるが、基礎研究や前臨床研究は適切な規制下で行うべきである、(3)継続的な議論のための国際的な議論の場(フォーラム)を創設すべきだとする点である。
英文原文
On Human Gene Editing: International Summit Statement
http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=12032015a
鍾宜錚氏(立命館大学)による台湾の「安寧緩和医療法」の和訳を掲載いたします。
これは、先日2015年11月29日(日)に開催された日本生命倫理学会のシンポジウム(「尊厳死」法案の問題は何か‐終末期医療をめぐる開かれた議論を目指して)において、鍾氏が報告の中で紹介した緩和ケアや治療差控え・中止に関する法律で、
2000年制定以降、何度か改正され、2013年に大幅改正されております。
日本の終末期医療の議論に大いに参考になるものと考え、掲載する次第です。
和訳ー安寧緩和医療法(現行法)
和訳ー安寧緩和医療法(廃止)
なお、鍾宜錚氏のご研究については、下記もご参照ください。
鍾宜錚「最後の旅—台湾における死を見つめて」(立命館大学生存学研究センター)
http://www.ritsumei-arsvi.org/news/read/id/541
近年、国内における終末期医療に関する法整備の議論が進んでいないことを鑑み、議論の活性化を意図して、ここに「終末期医療における患者の意思尊重法試案」(ver. 1.00)を公表いたします。
「終末期医療における患者の意思尊重法試案」(ver. 1.00)
これは超党派の国会議員連盟による「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案」(いわゆる尊厳死法案)の対案を意図して作成されたもので、いわゆるリビングウィルだけではなく、医療代理人の指名なども含む、より広範な規定を行うものです。まだ未完成なところも多く、拙いものですが、今後の議論を通してよりよい試案にできればと考えております。ぜひご意見を頂戴できれば幸いです。
また、本試案につきましては、本年11月29日に日本生命倫理学会大会(http://www.jab2015chiba.com/)にて行われる予定の下記の公募シンポジウムでも議論を行う予定です。
第27回日本生命倫理学会年次大会 公募シンポジウムⅦ『「尊厳死」法案の問題は何か-終末期医療をめぐる開かれた議論を目指して』
発表日時:11月29日(日)15:40~17:10
なお、関連する論考として、下記もご参照ください。
児玉聡「「尊厳死法案」をめぐる議論の論点整理――「国民的議論」活性化の一助として」
(2014.06.18) SYNODOS http://synodos.jp/society/7971
田中美穂「終の選択 穏やかな死を探して」
朝日新聞アピタル
http://www.asahi.com/apital/healthguide/endoflife/
CAPE生命倫理プロジェクト
田中美穂 (日医総研主任研究員)
児玉聡 (京都大学文学研究科)
佐藤恵子 (京都大学医学部付属病院)
2015年10月10日(土)に、京都大学吉田泉殿にて「臨床倫理学応用コース」を実施いたしました。
主に臨床倫理学入門コースの受講者を対象に、インフォームド・コンセントや新生児集中治療室などの事例の検討や実際に行われている臨床倫理関連の取り組みの紹介を通じて、参加者の臨床倫理に対する理解をさらに深めることが目的とされました。
次回の臨床倫理学入門コース等の開催日は未定ですが、こちらからメーリングリストにご登録いただければ、開催が決定され次第ご連絡を差し上げることができます。
ご関心のある方はぜひご登録ください。
ここに公開する文書は、2015年9月29日に、DFG(ドイツ研究振興協会)(http://www.dfg.de/)が、
・ドイツ国立学術アカデミー レオポルディーナ
(http://www.leopoldina.org/de/home/)
・ドイツ科学技術アカデミー(http://www.acatech.de/)
・ドイツ科学アカデミー(http://www.akademienunion.de/)
の三つのアカデミーと共同で、「ゲノム編集の見込みと限界」と題して発表した声明を要約したものです。後日、本声明についてのより詳しい解説を公開する予定ですが、ひとまず要約のみを掲載することといたしました。
この声明は、(1)声明を出すにいたった背景状況の説明、(2)ゲノム編集技術の概説、(3)ゲノム編集技術のさまざまな利用方法が持つ可能性と生じうる問題の概説、(4)結論および政策作成者と科学者への勧告、という構成をとっています。なお、原文は一冊の冊子体で、前半が独語、後半が英語で、同内容の記述となっています。原文は以下のURLより入手可能です。
http://www.dfg.de/download/pdf/dfg_im_profil/reden_stellungnahmen/2015/stellungnahme_genome_editing_2015.pdf
要約は、下記のリンクより閲覧・入手いただけます。
Chancen und Grenzen des genome editing要約(田中創一朗・服部高宏・児玉聡)
先日本ページ上でご報告いたしましたように、京都大学で開催されたアカデミックデイ2015にてポスター発表を実施いたしました。
当日ブースにて来場者の方々と対話をいたしました佐藤恵子先生による挨拶文を掲載いたします。
こちらからご覧いただけます。
「遺伝子改変に対する来場者の意識について」
アカデミックデイでのポスター発表の中で行った、遺伝子改変に対する来場者の意識を伺った結果について公表いたします。この意識調査は、2015年10月4日に京都大学で行われたアカデミックデイにご参加いただいた方のうち、私たちが展示した「ゲノム編集技術からみた、遺伝子改変」のポスター内容に基づき対話をした総数34名の方が、どのような遺伝子改変技術であれば受け入れるかについて伺った結果です。
具体的には、質問1「どの手法なら、遺伝子改変を受け入れますか」に関する5つの項目、また質問2「どの目的」なら、遺伝子改変を受け入れますか?」
に関する12の項目について、それぞれ「受け入れる」の場合は青のシールを、「受け入れない」の場合は赤のシールを貼っていただきました。なかには、「現時点では半々かな」と迷った末に2つのシールを貼った方、「どちらかといえばこっちかな」と苦渋の決断の末どちらか一方を貼ってくださった方と様々でした。集計にあたっては、1つの質問に対して2つ(受け入れる、受け入れない)のシールを貼った方については、「受け入れない」ものとしてカウントしました。また、シールを貼っていない場合はカウントせず「欠測値」として扱いました。このような集計の結果を、円グラフの形でポスター上に示しましたので、ご覧ください。
ご来場くださり、私たちのポスターの前で足を止めてくださった方々には、内容について対話をしてくださったことに加え、このような意識調査にご協力いただいたことを、改めて感謝申し上げます。
最後に、この調査結果について補足をします。
今回の回答者数は34名と少なく、また、その内訳は、京都大学のアカデミックデイに足を運んでくれた一般来場者及び、当日出展をしていた大学関係者の回答です。したがって、どちらかといえば、科学や技術に対して興味・関心の高い集団であると言えることから、直ちに一般化できるとは考えておりません。
また、来場者に回答してもらう前の、ゲノム編集技術を含めた遺伝子改変技術およびその倫理的課題についての説明は、佐藤、鈴木、田中がそれぞれ適切に行ったつもりですが、説明する内容は、3名の説明者ごとに多少の違いがあったことと思います。さらには、来場者との対話が第一の目的でもありましたので、来場者の関心事によりお話した内容も異なることから、「統一された内容の情報提供をしたうえでの回答」とは言えず、あくまで試験的なものであることをご理解いただければと思います。
こうした制限のある中で行った試みではありますが、私たちは、個々の来場者との一対一の対話を通したからこそ得ることのできた貴重な情報だと考え、今回公開することとしました。
この試みをもとに、一般の皆さんとの対話やご意見をお伺いする機会を今後も持ちたい思っております。お気づきの点などありましたら、ぜひお知らせいただければ嬉しく思います。
2015年10月7日
昨日京都大学にて行われた、アカデミックデイ2015に、「ゲノム編集の倫理を考える」というテーマで出展し、ポスター発表を行いました。
以下のリンクから、ポスターをご覧いただけます。
1ページ目★アカデイ2015ポスターゲノム編集(1)151004
2ページ目★アカデイ2015ポスターゲノム編集(2)151004
3ページ目★アカデイ2015ポスターゲノム編集(3)151004
3ページ目ではアンケートを実施いたしました。
その集計結果も、近々このページで公開いたします。
ゲノム編集技術の倫理に関する資料を1点公開いたします。
下記のリンクからご覧いただけます。
ヒンクストン・グループゲノム編集声明概要(田中創一朗・児玉聡)
これは2015年9月10日にヒンクストン・グループ(幹細胞と倫理・法に関する国際的コンソーシアム)が公表した声明の概要です。ヒンクストン・グループ(http://hinxtongroup.org/)は幹細胞研究に関して科学者、政策立案者、学術誌編集者、市民の相互理解を促進するために2000年代中盤から英米圏の研究者を中心に活動しており、2006年以来(今回のものを含めて)5つのコンセンサス声明を出しています。以下の声明は、(1)ゲノム編集を用いた基礎研究の重要性、(2)ヒト胚への臨床応用の見込み、(3)規制とパブリックエンゲジージメントの重要性の三つの節に分かれており、その三つに関して計14の論点がメンバー間でコンセンサスが得られた点として述べられています。なお、原文は以下のURLから入手可能です。http://www.hinxtongroup.org/hinxton2015_statement.pdf
先日こちらでご報告いたしました国際高等研究所での研究会において報告をおこなった資料を2点、公開いたします。
まず一点は、英国ナフィールドカウンシルが作成したゲノム編集の倫理的問題に関するバックグラウンド・ペーパーの概要をまとめたものです。
下のリンクからご覧いただけます。
英国ナフィールドカウンシル_ゲノム編集バックグラウンドペーパー概要(田中創一朗・児玉聡)
原文は、下記のURLから入手できます。
http://nuffieldbioethics.org/wp-content/uploads/Genome-Editing-Briefing-Paper-Newson-Wrigley.pdf
第二に、ゲノム編集の倫理的問題に関する議論をインターネット上を中心にサーベイを行い、まとめたものです。
下のリンクからご覧いただけます。
ゲノム編集の倫理サーベイ(児玉聡)
みなさまの活発な議論の材料にしていただければと思います。
なお、研究会での検討を基にしたディスカッション・ペーパーも近日中に本サイトに掲載いたします。いましばらくおまちください。
2015年8月22日〜28日にかけて、上廣倫理財団の後援により、オックスフォード大学・京大交換プログラムを実施いたしました。
オックスフォード大学上廣実践倫理研究センター(http://www.practicalethics.ox.ac.uk/)よりガイ・カヘイン先生とトマス・ダグラス先生にお越しいただき、日本人学生の指導をしていただきました。また、CAPEセミナーとして公開セミナーを開催いたしました。
第一回の研究会は2015年8月4日5日の二日間にわたり、けいはんな学研都市にある国際高等研究所の施設で行われました。
初日は「日本の生命倫理の問題点」および「今後本プロジェクトで何をすべきか」について討論を行いました。グループに分かれた討論において、「家族」や「人のいのち」といった大きなテーマで日本の生命倫理について考える可能性や、生命倫理カフェのようなパブリックエンゲージメントの実施などが示唆されました。
二日目は最近話題になっているゲノム編集の倫理について検討しました。人や動物で実際に研究を進めている研究者も交えて技術の現状を確認したあと、動植物やヒト体細胞および生殖系列細胞を対象としたゲノム編集に関してどのような制度的・倫理的問題点があるかを議論しました。ゲノム編集の倫理については、引き続き検討していく予定です。
なお、ゲノム編集についての報告の一部、および研究会での検討をもとにしたディスカッション・ペーパーを近日中にサイト上に掲載予定です。
7月22日から約一週間、児玉、佐藤、鈴木が、英国に渡航し、ブリストル大学の医療倫理研究所( Centre for Ethics in Medicine)と大学本部にある研究開発課(Research and Enterprise Development)の研究ガバナンス部門を訪ね、ブリストル大学および英国の臨床倫理と研究倫理の現状と課題について意見交換をしてきました。
また、医療倫理研究所では日本の終末期医療について報告を行い、活発な議論を行い、今後の共同研究についても議論しました。
さらに、ロンドンにも足を伸ばし、生命倫理政策のシンクタンクとして定評のあるナフィールド生命倫理評議会(Nuffield Council on Bioethics)を訪れて英国の生命倫理政策におけるナフィールド生命倫理評議会の役割について意見交換を行いました。
センター員の児玉聡が代表を務める「領域横断型の生命倫理プラットフォームの形成に向けて」が、国際高等研究所の2015年度研究プロジェクトに採択となりましたので、ご報告いたします。
多くの皆様のご協力に、感謝申し上げます。
2015年3月19日、20日の二日間にかけて、それぞれ「研究公正」「終末期医療」をテーマに、国際ワークショップを開催いたしました。
英国ブリストル大学からRuud ter Meulen教授とRichard Huxtable教授をお招きして、それぞれのテーマについて日本の研究者・医療者を交えて活発なディスカッションが行われました。
佐藤恵子先生による実施報告文がこちらにございますので、是非ご覧ください。
2015年3月5日と6日の二日間にかけて臨床倫理学入門コース(パイロット版)を実施いたしました。
主催者の一人である佐藤恵子先生による実施報告文がこちらにございますので、
ぜひご覧ください。
京都大学学術研究支援室の広報サイトである「K.U.RESEARCH」に、生命倫理プロジェクトの児玉・佐藤・鈴木の三名のインタビュー記事「生命倫理学のあるべき姿」が掲載されました。
生命倫理学の歴史・臨床上の問題への視点などから、これからの生命倫理学に何が求められるのかという内容になっております。
こちらから、記事をご覧いただけます。
発行を心待ちにしてくださった、全国の10名くらいのみなさま、お待たせしました。
ようやく「幹細胞研究ってなんだ」を上梓しました。
構想から苦節1年半、
熟成の時(ぐだぐだしつつ手を入れたりしてました)を経たおかげで、
読みやすい文書になったのでは…と勝手に自画自賛しております。
当初は、冊子での出版を予定したのですが、
「無料でダウンロードできるようにしてほしい」というご要望があったため、
気前よくネット上に掲載することにいたしました。
高校や大学での授業に、ご家庭での団らんに、お休み前のひとときに、
手にとっていただければ幸いです。
印刷される際は、見開きでB4サイズくらいにすると見やすいです。
私たちは、生命医科学の研究や技術応用に関する問題について、
みなさんに考えたり対話していただく環境を作ることを目的の一つとして活動しています。
理由の一つには、生命医科学の研究者のコミュニティには、
市民に対して、研究や技術開発の目的や内容、リスクや利益をきちんと説明し、
ゆるやかな了承を得るという責任があるからです。
それというのも、生命医科学の研究は、
人や動物の生活、文化や自然環境に影響を与えるようなことを研究したり、
医療に役立つであろう技術を開発することを目指しており、
研究活動の結果は、良かれ悪しかれ市民生活に関係するものだからです。
なので、研究者は研究室にこもって実験だけしていればよいわけでなく、
市民から理解や信頼をいただく努力をする必要があるのですが、
このあたりの必要性は、今ひとつ、研究者自身にも
認識されてこなかったように思います。
要因の一つは、科学や技術の内容は、一般の人にはなじみがない上に難解で、
「専門家でない人にわかりやすく説明すること」自体がとても難しいこと、
そして、問題を考えたり研究の実施を判断してもらうためには、
学術面の解説だけではなく、「どこにどのような問題があるか、
それらをどう考えるのか」という手がかりが必要で、
これらをうまく提示するのも難しいこと、といったところにあるのかなと思います。
幹細胞の研究やそれを応用した再生医療の話も、
難しくてチャレンジングなテーマでしたが、
みなさんに考えてもらうためのとっかかりくらいになるのではと思います。
この冊子を手に、市民の間で、市民と研究者の間で、研究者や政策決定者の間で、
あーでもなければこーでもないという話が継続してできればよいなと思います。
日本では研究のガバナンスが他の国とは違うことは冊子の中でも触れましたが、
一番足りないことは、このような話がされない、
話をするきっかけがない、多種多様な意見を受け止めて対話する場がない、
ということではないかと感じています。
この冊子を元に、茶飲み話や井戸端会議が活発になればうれしいです。
ついでに言えば、幹細胞研究に限らず、
世の中にはエネルギーの問題や、社会保障の問題など、
市民が知らなくてはいけないけれど難しくてよくわからないテーマが多々あります。
これらについても、身近に感じて考えてもらえるように伝える活動が
さかんになればいいなと思います。
佐藤 恵子(ワーキンググループを代表して)
2014年12月25日
この冊子を教材等として活用してくださったみなさまへのお願い
冊子を活用してくださりありがとうございます。
この冊子は、まだ生まれたてですので、改善の余地が多々あります。
また、研究は日進月歩しますので、内容の更新もしていく予定です。
そこで、教材として使ってみての感想やご意見、気がついた点などありましたら、
cape-bioethics[at]bun.kyoto-u.ac.jpまで
お寄せいただけたら大変うれしく思います。
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↓「幹細胞研究ってなんだ」pdfファイルへのリンクです(当記事最上部の画像にも同一のリンクが張ってあります)↓
幹細胞研究ってなんだ1版1刷141212
京都大学内での生命倫理関係のイベントや講演会などについての情報を提供するための、
メーリングリストを開設いたしました。
どなたでもご参加いただけますので、以下のボックスから自由にご登録ください。
また、CAPE全体の情報に関してツイートするtwitterアカウント(@CAPE_KyotoU)を開設しております。
生命倫理以外にも様々な催しものの告知等をしております。
よろしければ、フォローお願いいたします。
9/28に開催されたアカデミックデイでのポスター出展が無事に終了いたしました。
多くの方にご来場いただき、ありがとうございました。
(アカデミックデイ全体についての主催者側からの報告は、こちらのHPを御覧ください。)
さて、会場にてポスターにシールを貼り付けていただく形でおこなった、代理出産と延命治療中止に関するアンケートの結果をここで発表致します。なお、佐藤恵子先生による解説・挨拶文はこちらになります。ぜひ御覧ください。
【代理出産】
「日本の国として、代理出産を認めるべき?認めるべきでない?」
・認めるべき・・・・・・・・・・・19票
・認めるべきでない・・・・・16票
こちらは、ほぼ半々という形になりました。
参考までに、朝日新聞の世論調査でも賛否ともに42%という結果が出ております。(2013年9月26日 朝日新聞デジタル)
【延命治療中止】
「日本の国として、延命治療の中止を認めるべき?認めるべきでない?」
・認めるべき(中止してよい)・・・・・・・・・・・・・・41票
・認めるべきでない(継続すべき)・・・・・・・・・・3票
こちらは、ほとんどの方が「認めるべき」に投票されました。
厚生労働省による2014年の意識調査では、「交通事故により心肺停止になった後に蘇生したものの、2週間を経過した時点で意識はなく、人工呼吸器と点滴を受けている場合、治療の継続を望みますか?」という質問に対して、国民の68%が「継続を望まない」と回答しています。
質問の仕方は異なりますが、今回のアンケート結果にも、このような意識が反映していると考えられるかもしれません。
ご来場されたみなさまには、アンケートに投票頂いたほかにも、多くのご意見やご質問を頂きました。大変ありがとうございました。
今後また似たような催しがある場合には情報を提供いたしますので、是非メーリングリストにご登録ください。
メーリングリストにはここからご参加いただけます。
近日開催される京都大学アカデミックデイ2014にて、生命倫理プロジェクトの児玉・佐藤・鈴木がポスター展示を出展いたします。多くの方のご来場をお待ちしております。
日時:2014年9月28日(日)10:00~16:00
場所:京都大学百周年時計台記念館
京都大学アカデミックデイ2014についての詳細はこちら(イベントのHP)を御覧ください。
2014年8月25日〜9月2日にかけて、上廣倫理財団の後援により、オックスフォード・京大交換プログラムを実施いたしました。
オックスフォード大学上廣実践倫理研究センター(http://www.practicalethics.ox.ac.uk/)よりジュリアン・サヴァレスキュ先生とロジャー・クリスプ先生にお越しいただき、1週間にわたって京大の学生の指導をしていただきました。また、CAPEセミナーとして公開セミナーを実施いたしました。
センター員の児玉聡が代表を務める「京都大学を拠点とする領域横断型の生命倫理の研究・教育体制の構築」プロジェクトが、京都大学の「平成26年度融合チーム研究プログラム(SPIRITS)」に採択されました。
期間は、平成26年7月1日から平成27年度末までの予定です。
本研究プロジェクトは、京都大学学内を中心とした生命倫理関連の研究者のネットワーク作りを進め、次世代の生命倫理研究者育成のための基盤づくりを行うものです。
皆様のご協力をお願い致します。